小島葬儀店と考える理想の葬儀
(更新)

横浜市磯子区、根岸。
古くからの住宅街と新しいマンションが混ざり合うこの街で、ある葬儀社が「街の伴走者」として奔走しています。小島葬儀店の内藤さんです。
葬儀業界がいま、大きな転換期を迎えていることをご存知でしょうか。
インターネットでの価格比較、機械的なパッケージプラン、そして「安さ」を競い合う広告…。そんな効率優先の潮流の中で、内藤さんはあえてご家族一人ひとりの「背景」に深く深く入り込む道を選んでいます。
なぜ、それほどまでに「寄り添うこと」にこだわるのか。その原点には、かつて介護現場で見た「家族の真実」と、この街で共に生きるという確固たる覚悟がありました。
内藤さんのキャリアは、意外なところから始まります。大学卒業後、彼が最初に選んだのは家業の葬儀業ではなく、介護の世界でした。それも、多くの方が最後の日々を過ごす、有料老人ホームの現場です。

内藤さん
「葬儀という『最期』の場面だけを見るのではなく、その手前にある『暮らし』を知りたかったんです。人は亡くなる前、どんな生活を送り、どんな苦労をされ、ご家族とどんな言葉を交わしているのか。その日常を知らずして、本当の意味で良いお見送りはできないのではないか、と考えたんです」
介護現場での日々は、内藤さんの死生観を大きく揺さぶりました。
施設では子供のように笑う厳しい父親の姿や、病の苛立ちを家族にぶつけてしまう温和な母親の姿…。家族に見せる顔と、外で見せる顔。内藤さんは、そのどちらもがその人であることを知りました。
教科書通りの「綺麗な故人像」ではなく、もっと多面的で、人間くさい人生に触れてきた経験。それが、今の内藤さんの「聞き取り」の深さに繋がっています。
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葬儀の打ち合わせの席で、内藤さんが真っ先に向けるのは、故人への哀悼と同じくらい強い「ご家族への労い」です。
長年、自宅介護を続けてきたご家族は、心身ともに疲れ果てています。しかし、いざ別れの時が来ると、「もっと優しくしてあげればよかった」「早くいなくなってほしいと思ってしまった瞬間があった」と、自分を責めてしまうケースが非常に多いといいます。
内藤さんは、ご自宅に伺った際に「あるもの」を見て、ご家族が歩んできた道を知ります。
「例えば、棚に並んだ栄養剤や、飲み込みを助けるための『とろみ剤』。それを見ただけで、ご家族がどれほど神経を使い、毎日毎日、一口ずつ食事を運んできたかが分かります。介護ベッドが置かれた部屋の匂いや、整えられた寝具。それらはすべて、ご家族が全力で向き合ってきた証拠なんです」
そんなとき、内藤さんはあえてこう言葉をかけます。
「お疲れ様でした。いま、少しホッとされていませんか? そう思ってしまうのは、あなたがそれだけ一生懸命だった証拠です。自分を責めなくていいんですよ」
介護を終えた後の安堵感は、決して冷たい感情ではなく、全力で「やりきった」という証。その気持ちを肯定することで、ご家族は初めて前を向いてお別れの儀式に進むことができる。内藤さんは、葬儀とは介護の延長線上にある「癒やしのプロセス」だと考えています。

昨年の餅つき大会は、1日に5カ所も回ったそう。
内藤さんは、葬儀という枠を超え、一人の「街の住人」として地域の活動にも深く携わっています。
消防団の活動に汗を流し、青少年指導員として小学生の登下校を見守り、お祭りがあれば焼き鳥を焼いて汗をかく。一見、葬儀の仕事とは無関係に見えるこれらの活動こそが、彼の信頼のバックボーンとなっています。
内藤さん
「葬祭組合の理事長から教わった『地元で商売をさせてもらっているなら、恩返しをするのが当たり前だ』という言葉が、ずっと胸にあるんです。私はこの根岸で育ち、いまもここで子どもを育てています。街を歩けば、どこに誰が住んでいて、どんなお仕事をされているか、自然と耳に入ってきます」
この地域の繋がりは、葬儀の現場で大きな力となります。
ご家族が「こぢんまりとした家族葬でいい」と言っても、内藤さんが「いや、お父さんはあの活動で慕われていた方だから、きっと多くの人が最後のお別れに来たいはずですよ。準備しておきましょう」と、故人にとって本当にふさわしいお見送りの形を提案できるのです。
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葬儀が終わった後も、スーパーやお祭りで会い、立ち話をする。逃げも隠れもしない、この街の一員として責任を持つことが、内藤さんなりの誠実さの形です。

インタビューの最後、内藤さんは「街の伴走者」という言葉を口にしました。これは、地域の人々の人生の歩みに寄り添い、苦しい時には支え、最期の時にはその人生を称える、そんな存在を指しています。
内藤さん
「葬儀は、一生に何度も経験することではありません。だから、何も知らなくて当たり前。不安で当たり前なんです。私たちは、その不安を一つひとつ解きほぐしていく伴走者でありたいと思っています」
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西洋占星術サロンとの対談の様子。
占いを取り入れたエンディングノートの制作も検討中
これからは、占いや星座を取り入れた「少し楽しいエンディングノート」の制作など、もっと気軽に「生」を語り合える場も作っていきたいという内藤さん。死を遠ざけるのではなく日常の中にそっと置いておくことが、結果として今をより良く生きることに繋がると信じています。
磯子区、根岸。この街には、あなたの介護の苦労を理解し、街の未来を語り、最期の時間を託せる「内藤さん」という伴走者がいます。
編集後記:取材を終えて
内藤さんとお話ししていて強く感じたのは、その言葉の「温度」でした。内藤さんが語るのは、目の前の人の苦しみをどう和らげるか、そしてこの街をどう守っていくかという「生き方」そのものでした。
葬儀社に相談へ行くのは勇気はいるかもしれませんが、内藤さんが温かい笑顔で迎えてくれます。まずは気軽に、イベントや事前相談へ足を運んでみるのはいかがでしょうか。
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※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。
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