えんどうファミリークリニック
こんにちは、えんどうファミリークリニックです。
今回は、資料でご紹介している重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について、図表の内容をかみくだいてお伝えします。SFTSは、主にマダニを介してうつるウイルス感染症で、重症化すると命に関わることもある病気です。
SFTSはどのようにうつる病気?
病原体はSFTSウイルスで、多くは「マダニにかまれること」でヒトに感染します。資料のイラストでは、マダニがシカやイノシシ、アライグマなどの野生動物に吸血し、そのマダニがヒトやイヌ・ネコにも付着してウイルスを運ぶ様子が描かれています。
イノシシやシカの生息域では感染リスクが高く、4~10月の屋外活動・農作業・草むらに入る機会が多い季節に発症が増えることが知られています。ネコやイヌなど、発症した動物の咬傷や体液への濃厚接触で感染した例も報告されています。
主な症状と検査のポイント
マダニに刺されてから通常6~14日ほどの潜伏期を経て、発熱期には発熱・頭痛・強いだるさ・食欲不振、嘔吐や下痢・腹痛、リンパ節のはれなどが出ることがあります。多くは「夏のつらい風邪」のように見えるため、屋外でマダニに刺された心当たりがあるかどうかが診断の大きな手がかりになります。
重症化して臓器不全期に進むと、ショック、意識障害、肺・腎臓・心臓の障害、出血傾向などを伴うこともあり、集中治療が必要になる場合があります。血液検査では白血球・血小板の低下、AST/ALT/LDHやフェリチンの上昇などが特徴的とされ、疑わしい場合は保健所を通じてPCR検査などで確定診断を行います。
野外での予防と、気になる症状があるとき
SFTSを防ぐうえで最も大切なのは、マダニにかまれないようにすることです。草むらや山林に入るときは、帽子・長袖・長ズボン・足首を覆う靴下など、肌の露出をできるだけ減らし、帰宅後はすぐにシャワーや着替えを行って体や衣服にマダニが付着していないか確認しましょう。ペットと一緒に屋外に出かける方は、ペットの体表チェックやダニ予防も重要です。
「草むらに入ったあと数日してから高熱と強いだるさが出てきた」「マダニに刺された跡があり、吐き気や下痢が続く」など気になる症状があるときは、自己判断で様子を見過ぎず、できるだけ早く医療機関にご相談ください。その際、いつ・どこで・どのような作業をしていたか、動物との接触歴があるかをお伝えいただくと診療の助けになります。
※本記事は、「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)診療の手引 2025年版」等の資料に掲載されている図表を参考に、一般の方向けに内容を要約したものです。実際の診断・治療方針は、症状や全身状態、持病などによって大きく異なります。具体的な対応については、必ず診察のうえ担当医とご相談ください。
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