まいぷれ札幌市中央区編集部
まいぷれ札幌市中央区編集部です。
今回は、アパレルのSINA COVA(シナコバ)ブランドを展開されている伊部株式会社様(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:伊部源太郎 氏)へのインタビューをお届けします。(取材日:2026年4月16日)
編集部 :本日は、お忙しいところお時間をいただきありがとうございます。
伊部社長:こちらこそ、よろしくお願いします。
編集部 :以前から気になっていたのですが、御社が展開されているブランド「SINA COVA」は、「マリンライフスタイル」を標榜されていますね。どのようなきっかけがあったのでしょうか。
伊部社長:若かりし頃、石原裕次郎、加山雄三、そして堀江謙一さんの太平洋単独横断などを通じて、海とヨットへの憧れがありました。そして1970年代後半には日本でも、海をテーマにしたブランドがたくさん出てきました。
そんな中、買い付けに訪れたイタリアで見つけたのが「SINA COVA」だったんです。
編集部 :その時の印象はどんなものでしたか。
伊部社長:1979年当時、日本で見かけたファッションとしてのマリンルックは、水兵さんのイメージ、セーラー服といったものが中心でした。
しかし、夏はボート・ヨットで遊ぶのは当たり前という文化のイタリアで生まれた「SINA COVA」は、とにかく明るく、楽しげでした。日本にこのコンセプトのブランドは無い。きっと楽しい商品の提供ができると確信しましたね。
編集部 :なるほど、わかる気がします。「SINA COVA」のロゴタイプやパイプをくわえたヒゲの船長のロゴマーク、それにロープや錨をモチーフにしたにぎやかなデザインとカラフルな色使いの商品は、私にも目立つ存在として気になっていました。それで輸入を始められたと・・・。
伊部社長:そうですね。弊社は1921年創業で高級生地の卸から始まり、戦争の動乱期を経て1960年代には主にヨーロッパから既製服の輸入販売をするようになっていました。
編集部 :そうですか。ではもう、100年以上の歴史があるわけですね。
伊部社長:はい。私はその3代目なのですが、イタリアで見つけたこの「SINA COVA」を、1980年から直輸入販売し始めました。
編集部 :当時、マリンファッションが人気になっていたところへ、明るく楽しげな「SINA COVA」を独占販売したことで、一気にブレイクしたということでしょうか。
伊部社長:いやいや、そう簡単ではありませんでした。日本ではまだマリンファッション市場は未成熟だった上、イタリア人と日本人の体型・サイズの違いや染色(水質の違いによる色落ちの課題)、縫製の違い、デザインやカラーの嗜好の違いなど、乗り越えねばならない課題がたくさん出てきました。
編集部 :どのように対処されたのですか。
伊部社長:1985年から、日本国内でライセンス生産を開始しました。「海を愛する人に、優雅なスポーツを嗜む人に」というのが、このブランドが誕生してから今日まで変わらない「SINA COVA」の世界観を表現する言葉です。これを守りつつ、日本のマーケットに受け入れられる努力を続けてきました。
編集部 :たとえば、どのようなことが挙げられますか。
伊部社長:「SINA COVA」の製品は、「高感性」「高品質」「高機能」「高品位」「スポーティ」「カジュアル」「トレンディ」の七つのエレメントからできています。
「機能性」についていえば、マリンウェアは船乗りをイメージしたもの、すなわちスポーツウェアとしての機能を満たすものでなければいけないと考えます。
撥水素材を用い、袖や襟に風によるバタつきを抑えるドロー・コードを装備したり、通気性・保湿性・動きやすさを支える伸縮性にすぐれた素材を採用しています。
編集部 :「品質面」ではどうですか。
伊部社長:もちろん、力を入れています。国内での製造が難しい一部の商品を除いて、生産は日本国内に集約しています。
ちょっと専門的になりますが、斜行(洗濯後などに生地がねじれて歪んでしまう現象)を避けるため、カットソー素材は双糸使いとし、自然な風合いを残すため表面加工は極力避けています。
ステッチは一般のものより太目、かつダブルステッチで、また、襟やカフスの裏など見えにくい部分の配色やデザインも怠りません。ボタンもクロス付けとし、ボタンホールとともに配色するなど、こだわりの製品づくりに努めています。
編集部 :なるほど。このため、それなりのお値段になっているわけですね。
伊部社長:今では製造拠点を海外に頼るケースが増えていますが、弊社は、なるべく国内の製造拠点が残れるよう支え続けたいと考えております。
また、2013年に弊社は「SINA COVA」の商標権を取得しました。イタリア発ではありますが、製品の8割以上を国内製造しており、今では「SINA COVA」は日本ブランドとなっています。
編集部 :よくわかりました。ただ私には、これまでのビジネスや生活スタイルから、なかなか御社のにぎやかなデザインを着こなせそうにありません(笑・汗)。
伊部社長:いえいえ、大丈夫ですよ。かつて弊社「赤坂プラス店」での話ですが、それまで紺色の服しか着なかったのに、店長に赤い服を勧められ試着してみたら意外にいい。次はピンクとか黄色とか、さらには大きなキャラクター付きで恥ずかしいと思ったのに、実際に着てみると考えがすっかり変わられたというお客様もいらっしゃいます。(笑)
編集部 :いや~勇気がいりそうです(笑)。それはそうと、東京に行く機会があって見学するなら「赤坂プラス店」が良いですか。
伊部社長:「赤坂プラス」店は閉鎖しましたので、今は、ホテルニューオータニガーデンコート2階にある「SINA COVAニューオータニ東京店」がおススメです。人生が変わるかもしれませんよ。(笑)
編集部 :商品のこだわり部分について見せて(説明して)いただければと思うのですが・・・。
伊部社長:それは「札幌店」でのほうがいいでしょう。連絡しておきますので、是非・・・。
編集部 :北海道、とくに札幌は、マリンライフスタイルといっても海との馴染みは少ないですね。
伊部社長:確かにそうですが、私どもはマリンウェアそのものよりもスポーツウェア、カジュアルウェアとしてとらえており、「マリンティスト」としてのブランド発信を心掛けています。
「SINA COVA」ブランドはイタリア発祥で、イタリアには地中海もありますが、スキーも盛んでこの2月の冬季五輪はミラノ・コルティナでしたよね。
編集部 :確かにそうでした。
伊部社長:それに、もともと「SINA COVA」ブランドを創ったスザンナ・コバさんはヨットもこなしますが、イタリア代表のスキー選手でもあり、1972年の札幌五輪にも出場したんですよ。
編集部 :えっ、そうなんですか。では札幌との縁も深いと言えますね。
伊部社長:そうなんです。ですからあとは是非「札幌店」でお願いします。
・・・ということで、以下、札幌店での、店長へのインタビューです。(取材日:5月1日)
編集部:伊部社長に「SINA COVA」商品のこだわりを伺ってきましたが、商品を見せて頂けますか。
店 長:はい。お越しいただきありがとうございます。
編集部:まず初めに、札幌店ではどのようなお客様が多いですか。
店 長:そうですね。ゴルフをされている50代から70代のお客様が一番多いですね。「ゴルフ場でシナコバを着ている人を見て、かっこいいと思った」と来てくださる方がとても多いです。
最近は奥様と一緒にいらっしゃって、ご夫婦でお揃いのポロシャツを選ばれる方も増えています。
編集部:社長からは、「マリンティスト」の商品づくりということも伺いましたが・・・。
店 長:マリンスポーツやヨットをされる方にも根強いファンがいらっしゃいます。小樽港マリーナのマリンショップにも「SINA COVA」コーナーがあるのですが、札幌店のほうが圧倒的に品ぞろえが多いと言ってわざわざ小樽から来てくださる方がいます。
また、年齢や性別を問わず楽しめるブランドなので、お父様へのプレゼントを探しに来られる若い方もいらっしゃいますね。
編集部:なるほど、そうなんですね。ところで「マリンライフスタイル」について、札幌店ではどのように表現しようと努めておられますか。
店 長:お店に入った瞬間に「海の空気感」を感じていただけるよう心がけています。札幌は海から少し離れた街ですけれど、だからこそ店内で非日常の「リゾート感」を味わっていただきたいですね。
編集部:明るくにぎやかで、楽しげなデザインが多いように感じます(写真例❶)。
店 長:お客様におススメする立場として一番気に入っているのは、「年齢を重ねるほど似合うブランド」だというところです。派手すぎず、でも地味でもない。鮮やかな色使いなのに上品にまとまるのは、シナコバのデザイン力だと思います。
お客様が試着されたときに「あれ、こんな色も自分に似合うんだ」と笑顔になられる瞬間が本当にうれしくて。流行を追いかけるのではなく、その方の人生のスタイルに寄り添える服だと感じています。
編集部:価格相応の価値はあるんだと・・・。
店 長:はい。ポロシャツでおよそ25,000円~30,000円台、ジャケットになるとそれ以上になりますが、その理由はしっかりあるんです。
まず、商品の8~9割が日本国内の工場で作られています。一着ごとに、着るシーンに合わせて生地や縫い方、細かなパーツまで変えて仕上げているので、大量生産のお洋服とはものづくりの手間がまったく違います。
編集部:あぁ、それは社長さんからも伺っていました。
店 長:生地も、シナコバオリジナルのものが中心で、吸水速乾や撥水といった機能を持たせたものも多いです。そして何より長持ちするんです。何年も着てくださっているお客様から「全然へたらないね」と、よく言っていただきます。
イタリアのデザインセンスと日本の縫製技術、その両方が一着に詰まっている。ロゴの、パイプをくわえた船長マークにある「LUPO DI MARE」は「海の狼」という意味で、強くたくましい船乗りの精神を表しています。見た目の華やかさの裏に、しっかりとした「ものづくり」があるブランドなんです。
編集部:なるほど、よくわかりました。ではこれからの時期、おススメしたいアイテムを教えてください。
店 長:これから夏に向けては、吸水速乾機能のある半袖ポロシャツが一押しです。汗をかいてもサラッとした着心地が続くので、ゴルフはもちろん、普段のお出かけにもピッタリです。
編集部:たとえばどちらになりますか。
店 長:そうですね。たとえばこちらのニューモデル(写真➋)。まず注目していただきたいのが、「襟の作り」です。白・赤・紺のトリコロールカラーを、7ゲージという太めの糸で立体的に仕上げています(写真➋右上)。
ふっくらとしたボリューム感があるので、一枚で着たときの「顔まわりの華やかさ」が全然違うんですよ。真夏用のサラッとしたポロシャツとはまた違う、初夏ならではの上品な存在感がある一枚です。
編集部:なるほど。なかなかいいですね!
店 長:生地には「フィールドセンサー」という特殊な鹿の子素材を使っています(写真➋左下)。これは、何層にも重なった特殊な構造で汗を素早く吸い取って外に逃がしてくれる素材です。
デザインもシナコバらしい遊び心が詰まっています。胸の左側にはUTILITAラインでおなじみの犬のキャラクター刺繍(写真➋右下)、右側には「SINA COVA」の2段ロゴ。袖口にもさりげなくブランドロゴが入っていて(写真➋右上)、細かなところまで凝っています。
編集部:ボトムスについても紹介してください。
店 長:そうですね。ショートパンツもありますが、北海道ではこちらの8分丈クロップドパンツ(写真❸)をおススメすることが多いです。
マリンテイストのワーク系デザインで、ボタンもしっかりクロス付けされ(写真❸右上)、シナコバが提案するアイレットやステッチワークなど、細部にこだわった凝った作りがポイントです(写真❸右中)。
ストレッチの効いたコットン・ポリウレタン素材により、軽い仕上がりながら透け感もなく、シーズンレスで扱える汎用性の高さが特徴です。春の終わりから真夏や残暑の秋まで、Tシャツなどカジュアルなトップスとのコーディネートに最適ですよ。
編集部:初めての方とか、女性向けへの商品についてはどうですか?
店 長:はい。初めての方には、まずソックスやキャップ(写真❶)をおススメしています。ソックスはシナコバらしいマリンテイストのデザインで数千円からお求めいただけます。ゴルフのときにチラッと見えるとすごくおしゃれなんですよ。キャップも1万円前後からありますので、手に取りやすいアイテムだと思います。
女性のお客様には、ユニセックスのマリンテイストのTシャツをおススメしています(写真❹)。最大の特徴は、前後の衿の高さを変えて、前身頃は丸首風に、後ろ身頃はスタンド風に仕上げることで、ちょっとした日焼け対策を考慮した機能性を備えています(写真❹右上)。
編集部:なるほど。おもしろいですね。
店 長:ポケット部分にはドライタッチな素材を使用し、ロゴや刺繍のデザインに海のモチーフがさりげなく取り入れられていて(写真❹右中)、カジュアルなのにどこか上品さがあるんです。
強撚タッチで撚糸を行い、ガス焼き加工を施すことで毛羽をそぎ落とし、クリアーで洗練された表面感を実現しました(写真❹右下)。これにより、毛玉の発生を抑え、長期間にわたって美しい状態を保ちます。
シナコバは「メンズブランドでしょ?」と思われがちですが、実はユニセックスのアイテムやレディース向けの商品も揃っています。ご夫婦やカップルで一緒にお店に来ていただいて、お揃いコーデを楽しんでいただけたらうれしいですね。
編集部:シナコバさんの商品にかける情熱やこだわりと、日本品質がとてもよくわかりました。本日は、ありがとうございました。
インタビュー後記
2年ほど前、札幌店に立ち寄り、「結構こだわった商品になっていますね。」と告げると、「あ、それなら是非、社長のお話を聞いてみてください!」・・・と札幌店店長に言われたものの、社長は大阪本社におられ、そう簡単ではありませんでした。
ネットで検索したところ、「シナコバ本社へ行ってきました!」というYoutube動画なども見つかり、想いは募るばかりでした。
そうして先月、たまたま大阪のとあるセミナーに参加する機会ができ、アポをとったところ、場所は本社ではありませんでしたが、空き時間を調整いただき、伊部社長(写真❺)にお話を伺うことができました。
こだわりの情熱あふれるお話も束の間、すぐ終了時刻となり、「あとは札幌店でご確認ください。」となった次第でした。
札幌店で実際に商品を見せていただき、説明を聞くにつれ、キャップからトップス、パンツ、アウター、ソックス、グッズなどを網羅したシナコバの世界観にふれ、アパレル業界におけるアップル(アイフォンなどを展開している)のような存在だと感じました。(編集部の個人的感想です)
祝日は休業します
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| フリガナ | マイプレサッポロシチュウオウクヘンシュウブ |
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